warning: ‘memset’ used with length equal to number of elements without multiplication by element size
警告：memset()の第3引数には配列の要素数ではなくサイズを指定して下さい
[-Wmemset-elt-size]
■配列の要素数とサイズを間違った例
#include <string.h>
int main(void)
{
//NG：要素数とサイズは違う
int ary[1024];
memset(ary,0,1024);
//NG：sizeという変数名が誤解を与える
size_t size = sizeof(ary) / sizeof(ary[0]) ;
memset(ary,0,size);
}
memset()の第三引数に記述するのは要素数ではなくてサイズです。
配列の型がchar 型の時は要素数とサイズは同じで混同しがちですが
char 以外の時は配列要素数と配列サイズは別ものです。
又、９行目のように配列の要素数を求めた結果を
size という名前の変数名に代入すると
要素数なのかサイズなのかで混乱します。
■修正例1(推奨しないsizeof(型)*要素数)
//ダメな修正：型や要素数を間違う可能性がある
#include <string.h>
int main(void)
{
int ary[1024];
memset(ary,0,sizeof(int)*1024);
size_t size = sizeof(ary) / sizeof(ary[0]) ;
memset(ary,0,sizeof(int)*size);
}
sizeof(型)*要素数
型や要素数を間違える可能性が高いのでこの修正は避けましょう。
■修正例2(推奨するsizeof(変数名))
//正しい修正：変数に対してsizeof()を使用する
#include <string.h>
int main(void)
{
int ary[1024];
memset(ary,0,sizeof(ary));
}
sizeof(変数名)
こちらを推奨します。
■修正例3(強く推奨する)
//最も良い修正：記述量が少なく、効率も良い
int main(void)
{
int ary[1024] ={0};
}
宣言時に0で初期化すると全要素０で初期化されます。記述量が少ないので間違える事もなく、かつ実行速度が高速です。
■gccで警告が出ない例
// gcc11で検出できなかった
void fz(int some_count)
{
int ary[some_count];
memset(ary,0,some_count);//(1) 可変長配列
int buf[1024];
memset(buf,0,sizeof(1024));//(2) sizeof(定数)
}
(1) some_count は要素数でサイズではありません。
(2) sizeof(1024)はsizeof(int)と同じで結果は4固定です。
上記はgcc11で検出できませんでした。
参考:
sizeof(型)よりもsizeof(変数名)を使いましょう。
https://ttsuki.github.io/styleguide/cppguide.ja.html#sizeof
■アンケート
